アサドを批判するシーア派シリア人はいないのか ~シリア人と会話7~

アサド大統領はシーア派の一派とされるアラウィー派の人物ですが、シリア国民の多数派はスンニ派です。アフマド君に「アサドのやっている行為に対して反対するシーア派のシリア人はいないのか」と聞いたら「20人ぐらいいるかもしれない」とのこと。ちょっと笑ってしまいましたが基本的にはほぼいないということのようです。

 

シーア派の特徴を超ざっくり言うと、第4代正統カリフのアリーとその血統を非常に重要視してることです*1。アーシュラーの祭りというのが象徴的なので興味のある方はググってどうぞ。一方スンニ派は血統よりもスンナ(ムハンマドの指導した慣行)を重視する派閥です。

 

イランで現在シーア派が主流を占めるのはサファヴィー朝シーア派を国教にしたことから始まりますが、サファヴィー教団はもともとスンニ派に近い教義だったが家督争いに関係しジュナイドがシーア派接近したという経緯があり、つまり多分に政治的な要素がシーア派の分布に関係してる。まあ他の宗教にもよくあることか。

 

まあとにかく現状シリアに置いてシーア派スンニ派の断絶は結構大きいようです。しかしこの点に関し、アフマド君は信仰の問題は政治的な問題が解決すればそれほど大きな問題にはならないだろうと考えてるようです。まあそれは僕には分かりませんが、現状中東各国では宗教が政治に利用されているという側面が大きいことを考えるとある程度納得のいく考えではあります。ただもちろん政治的な問題が解決するということ自体がまずとてつもない難題ではありますが。

 

さてそんな中、ビンラディンの息子がシリアにおいてシーア派に対する聖戦を呼びかけたというニュースが。中東は本当に複雑で僕も昔色々調べたけど諦めました。せっかくシリア人と知り合えたので再び追いかけております。

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*1:今の指導者たちはアリーの子孫ではないので、アリーの血統は関係ないんかというツッコミを入れたいところではありますが、彼らの教えでは12番めのイマームは隠れていてそのうち現れると考えてるそうです。