ジャカルタ州知事選挙と世界のイスラム化

興味のある人はあまりいないでしょうが、4月19日はジャカルタ州知事選挙でした。

イスラム侮蔑発言の現職敗北=ジョコ政権に打撃―インドネシア首都知事選 (時事通信) - Yahoo!ニュース

 

負けた現職のアホックは中華系のクリスチャンで謂わばマイノリティーですが、首都の知事になれるぐらいムスリムにも嫌われていない、というか評価が高かったわけですが、今回負けてしまいました。

 

さて今ヨーロッパのイスラム化は日本でもしばしばニュースになることですが、最大のムスリムを抱えるインドネシアに関しては穏健なイスラムという認識であまり危機意識みたいのはないと思われます。私にはムスリムの知り合いも何人かおり良い人たちですが、仮に日本にムスリムが増えるようになれば、過激派でなくとも問題が起きることは明らかでしょう。

 

マレーシアとインドネシアの華僑の知り合いもいますが、彼らはムスリムが大嫌いですね。彼らはマレーシアとインドネシアでもイスラムが過激化してる印象を持ってるようでした。まあそれがどの程度確かか、或は事実でもその流れが続くかは分かりませんが、インドネシアムスリムはアラブのムスリムとは違うという認識(違うと言えば違いますが)は少し甘いかもしれないなと最近思うようになりました。インドネシアは広いですから日本の左翼と右翼の争いなんてかわいいものかも?ムスリム間の争いもありますし。にも関わらず、と言えるか分かりませんがサウジアラビアパレスチナなどへの共感も強いですし。先日日本にも来たサウジアラビアの王様が日本に来る前にインドネシアを訪れましたが、かなり熱狂的に迎えられていました。知事選に勝利したアニス・バスウェダンさんは前にちょっと書いたFPIという過激派と接近してるという話です。ちなみにこれも前に書いたジョコウィの対抗馬だったプラボウォもアニス支持です。

【ジャカルタ知事選 三つどもえの戦い(下)】「礼儀正しい」教育者 イスラム保守層取り込みへ 前教育文化相 アニス氏 | じゃかるた新聞 インドネシアの日刊邦字新聞

www.bbc.com

 

 

日本の保守は対中国の姿勢で他国を見ることが多く、今のインドネシア高速鉄道の件などで批判が多いですね。しかし現政権に近いアホックが負け、イスラム主義が強くなることもあまり好ましいとも思えず。保守とムスリムと言えばウイグルに関して日本ウイグル協会と日本の保守が共闘したりしてますが、単に反中国共産党ということでイスラム教を理解してる人なんてほぼいないでしょう。

 

敵の敵は味方と言いますがそういうのも一時的な関係であって、三国志や戦国時代をみても分かるように時に手を結び時に争うというのが現実でしょう。第二次世界大戦だって連合国と枢軸国という分け方は単純に過ぎますしね。