八田與一像の頭部切断事件について

時局的に重要ではないかもしれませんが、まあ台湾について度々採り上げてる当ブログとしては一応触れておこうかと。

八田與一像 頭部切断される 台湾 ダム建設 日台絆の象徴 (産経新聞) - Yahoo!ニュース

 

 さて八田與一が台湾で尊敬されてると保守の人はよく言い、それは多分確かにそうなんだけど、「誰でも知ってる」というのは言い過ぎですね。っていうか知らない人のほうが多かったと思う。国民党時代の偏向教育を受けていれば教えられることもないので歴史好きで自分で調べるような人ぐらいでしょう。今の若い人の方が、何というか台湾人としてのアイデンティティーへの興味から知ってる人が多いでしょうね。犯人には皮肉なことにこの事件を通して八田與一への評価が高まってしまうかもしれません。

 

巷間言われているように恐らく蒋介石の像が壊されたことへの意趣返しかもしれませんが、蒋介石八田與一という政治家と技術者という土俵違いな上に、全く割に合わないことをしたと思いますね。まあ蒋介石の像を切断するってのもどうかと思いますけどね。こういうのはやはり日本人とは違うなあと思いますけど。台湾で撮ったペンキかなんか掛けられた蒋介石像。(まあ蒋介石は大量に台湾人を殺した人でもあるので気持ちは分かるのですが

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さて台湾独立派・本土派の人は統一派の人からアメリカと日本の犬と罵られることがあるようですが、日本の保守がアメポチと言われるのと少し似てるところはありますね。中国であることを否定したいために日本時代を評価するという面はあるでしょう。アイデンティティーというのは他者との関係で出来るものでしょうからある立場から見れば偏向してるというのは仕方ないんでしょう。まあ歴史問題に関しては日本は事実を発信するだけでいいと思いますけど。たまにやはり傲慢に見える歴史観を持つ保守もいることは確かなので。この件を通して偉人の業績を知ることは良いことですが、保守があまり変な採り上げ方をして変に利用してほしくはないですけどね。

 

まあでもいずれにしても復旧されればここや烏來の石碑、飛虎将軍廟など日本と台湾の絆を示すところには日本人としては行く価値があるところでしょうかね。まあ台湾に行くと有名でなくてもそこここに日本時代の遺物がありますが。