GSOMIA破棄の驚き

韓国がGSOMIAの破棄を発表しました。

news.yahoo.co.jp

 

少し前に渡しは流石にそれはしないだろうと書いたので思いっきり外してしまいましたね。

韓国人にとってのGSOMIA - 王蟲の子供

 

情報分野での実質的なデメリットはないという人もいますが、それ以上に韓国のプライドのための破棄でしょうか。それでも破棄はしないと思ってたので、もうこうなったら何でもありですね。

 

そうなると心配はこのスピード感に日本は対処しきれるのか。どうせプライドの問題で実質的影響はないと見る人もいますが、北朝鮮が実際喜んでるのを見るとそれは甘い考えな気もします。もう何でもありですので、多くの識者の見立てが当たるのか注目ではありますが、外れても仕方ないんじゃない?ってぐらい滅茶苦茶ですよね。

 

スピード感という点では例えば半島有事が起こり難民が発生した時、どう対処するのか決まってるんでしょうか。きわめて不安です。

 

とにかくムンジェインは想定以上にやばそうですね。「やっぱ破棄しませーん」なんて言われても驚きません。

 

石原莞爾7~マイン・カンプ批判

満州国 ~石原莞爾編~ - 王蟲の子供
石原莞爾2 - 王蟲の子供
石原莞爾3 ~最終戦争への準備期間としての統制~ - 王蟲の子供
石原莞爾4 東亜・大東亜の範囲 - 王蟲の子供
満州国4~石原莞爾の中国観の変遷~(石原莞爾5) - 王蟲の子供
石原莞爾6~昭和維新とアジア主義~ - 王蟲の子供

 

石原莞爾については手軽に手に入る著作に関してはどれも同じようなことを書いていますけども、「マイン・カンプ批判」は題材が特殊で他で言及されてないことも多いので個人的に気になるとこだけメモ。本の内容を纏めるのではなく飽くまで個人的に気になったとこだけなので悪しからず。石原莞爾の思想の概略は今迄書いた分で十分かと思っております。ちなみに旧字体新字体にしてまーす。

 

第二 民族観

(一)ナチスの民族観

「民族」は今日、人類の当面する最も重大な課題の一つである。(中略)我が国の第一の民族問題は朝鮮のそれである。

先にも断った通り気になったとこだけの抜書なので「第一」は飛ばして「第二」から行きます。この後も適当にサクサク飛ばします。さて、本書に於いて朝鮮の民族問題は多く採り上げられているわけではないけども、「重大」と書いてるぐらいですし、朝鮮について書かれてるところは多めに抜書きしようと思います。

民族問題を最も巧みに解決した国は、優勝の地位に上る一つの資格を獲得するわけである。あの鈍重なソヴェートが尨大な戦力を以てドイツに対抗してゐる一因はソ聯の民族政策が相当の成功を収めてゐるに在ると信ずる。(中略)ナチスの民族理念に於ては、血液を根底的なものとなし、極力その血を固定し、変化させないことを理想としてゐるのに対し、マルクス主義及び自由主義の民族理念は、殆ど故意に血の観念を民族から脱落せしめてゐるのである。(中略)最近、日本人は自主的にものを考えることがなく、何かと言ふと他人の真似-殊に強者の真似をしたがる傾向がある。ヒツラーの民族主義が日本人殊に自称日本主義者に強い影響を与へ、盛んに雑婚を排撃し、法律を以て禁止せよという声さへある。又一方満州方面の一部日本人は、民族協和は雑婚よりなどと唱へてゐる。(中略)自由主義は財力や武力によって世界を支配し、マルクス主義は万国の労働者を結合して資本主義を打倒せんがために、何れも故意に血の観念を民族から脱落せしめた。ヒツトラーが奮起した時にはドイツはマルクス主義支配下にあり、ヴェルサイユ条約を屈辱と感じないやうな状況であつた。

ナチスの民族観となってますが、自由主義マルクス主義の民族観と比較しております。そして当時の日本人も両者に影響されてるやつが多いと。では自由主義マルクス主義ナチスの民族観とは何なのかはナチスのハンス・ファブリチウスの「ナチス党綱領解説」、スターリンの「マルクス主義と民族問題」を引用している部分を孫引きしましょう。

自由主義は、民族を以て一定の国家の領域内に居住し、同一の言語と文化を有し、共同の歴史的追憶を有する人類の全体に他ならぬと教へた。国民社会主義はこれに反して民族概念の第一を、そして特徴的な標識を人種即ち共同的血液であると認める。」

(「新独逸国家体系」第一巻)

 

「民族とは言語・領土・経済生活及び文化の共通性として顕現されてゐる伝統的心理等の共通性によつて統一された、人間の歴史的に築かれた永続性ある共通性である。民族はあらゆる歴史的現象と同様に変化の法則によつて支配される。」

(「マルクス主義と民族問題」)

ナチスの民族観は石原莞爾も、科学的にゲルマン民族日本民族も相当に血が混じっていると反論しています。一方、確かに完全に人種のようなものを無視するのも不自然でしょう。しかし後述しますが、石原莞爾は世界一民族を志向しております。

 

(二)日本の民族問題

八紘一宇の民族観は、血は固より民族の主体たることを疑はないが、これと同時に民族は不断に発展し来つた事実を認め、更に民族観の歴史的進展さへも期待する。これが真に王道的理念であると信ずる。換言すればあるがまゝに民族の真の姿を認めようと言ふのである。血の重要性に就いては我々はヒツトラーの意見を尊重するが、同時に民族の発展と言ふ点では、マルクス主義自由主義の主張を是認する。(中略)闘争が盛んであれば必然的に民族意識は昂揚し、平和によって民族意識は沈潜する。今や未曾有の闘争時代である。(中略)従つて今日は民族意識も亦最も旺盛な時代であり、かゝる時代に政治的方便で民族意識を滅却しようとするのは無理である。

 石原莞爾としてはナチスの民族観と自由主義マルクス主義の民族観の誤りを指摘し止揚してるつもりなのかもしれませんが、個人的には「で?」という気持ちがします。石原莞爾の時代と現代で民族問題の切実さが違うからでしょうか。「未曾有の闘争時代」で「民族意識も亦最も旺盛な時代」の空気感は頭では理解できても実感は出来ない。この差は想像以上に大きいのかもしれません。人間の考えることは古今東西それほど変わらないような気もするんですが、時代状況は無視してはいけない。というかそうでないと理解できないですよね。

 

日本民族の使命達成のためとあらば、一億国民喜んで皆身命を捧げる。日本民族に対する我々のこの美しき熱情と八紘一宇の大理想を実現しなければならぬといふ強い意思と、この二つは毫も矛盾なく調和するのであり、絶対に作為がない、方便がない、坦々たる天地自然の歩みを行ふだけである。

石原莞爾は田中智学に傾倒し国柱会の会員でしたので、宗教性が特に強い。日蓮宗は日本の宗教の中では特に拡張的で創価学会が今でも世界中にその輪を拡げようとしていることも同じDNAな気がしますね。疑似一神教とも言われる皇国史観日蓮宗のコラボは中々強烈です。石原莞爾自身は軍部でも異端児であったし、国柱会やその思想がどの程度影響力があったかは分かりませんが、今後も戦前の思想史は追っていこうと思っています。いずれにしても戦前の右派にしてもこのような「世界は一つ」的なのや石原莞爾のいうところの「自称日本主義者」など、色々違いはあったということで。ちなみに国柱会は今も存続しております。

dot.asahi.com

 如何にもAERAらしく伝統的右翼としての国柱会に現在の右翼を批判させてますけど、実際伝統的右翼と今の保守は大分違うと思いますね。確かに思想性が薄い人が多いというか。でも思想性が強い人も、AERAは自分に都合が悪ければそれはそれでカルトだとか批判するだろうけど。ちなみに国柱会日本会議の関係についてこの記事に書いてるのとWikipediaのどっちが正しいんでしょう。どっちでもいいけど。

日本会議には属しておらず、国柱会としての日本会議の活動への動員は行っていないという。署名集めなどの協力要請があれば、ものによっては協力する程度だという。

伝統的右翼がネトウヨを叱る? 宮沢賢治も信じた国柱会は今 (2/4) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

 

青木理によれば、日本会議との関係についてのAERA編集部による取材・アンケートにおいて、日本会議関連団体である「美しい日本の憲法をつくる国民の会」代表委員に教団幹部が就任している、としている[1]。

上杉聡によれば、過去に実施された保守系政治団体日本会議のイベントの受付において、国柱会を含む各種宗教団体別の受付窓口が設けられ、参加者を組織動員したことがある[2]。

国柱会 - Wikipedia

閑話休題。続きます。

私は昭和十五年十月十七日、京都で「新体制と東亜聯盟」と題する講演を行つたが、この中で「遠き将来を空想すれば全民族も渾成せられ、全人類が天皇を中心と仰ぎ、一国家一民族となるのを理想とすべきである」(「東亜聯盟」昭和十六年十月号所載)と述べた。これに対し、一部の日本主義者から激しい反対が加へられた。然し、私は断然、私の説の正しいことを信じてゐる。八紘一宇の究極の理想は世界一民族でなければならぬ。固より全人類の血が完全に融合しなければならぬといふのではない。上述した如く、血の区別はあっても、文化の完全な統一によつて生活感情が一つになり、民族の対立意識が失はれ、そのまゝ一つの民族となり得るのである。

 

うーむ、やはりかなり恐ろしいです。石原莞爾以外も戦前の右翼は天皇を戴いている点以外は左翼とほとんど変わらないと感じるのも多くいます。先日NHKで新しい資料が出たと特集してた二・二六事件の理論的指導者とされる北一輝などはその天皇に対する考えすら怪しいようですがそれはまたの機会に。

「二・二六事件」海軍極秘文書発見 収束までの4日間詳細に記録 | NHKニュース

 

 (三)ナチス民族観の批判

我々は誤れる思想信仰に対しては徹底的に闘ふ。然し自ら人種平等を唱へながらユダヤ民族を排斥するのは誤りである。(中略)到る処で虐待され、ひねくれ、悪いこともやって来たユダヤ民族を完全に改心させて、その所を得しめるのが、天皇の大きな御仕事の一であると拝察する次第である。

 ユダヤ民族を「ひねくれ」と表現してしまうとは中々強烈ですねー。戦前には日本でもユダヤ研究はかなりされてたようなのでいずれそういうのも読んでみたい。

次はヒツトラーの所謂「指導民族」の考へである。(中略)我々日本人は「自分達こそ天子様の近衛兵である。世界最優秀の民族にならねばならぬ」との確信を持ち、最大の努力をせねばならぬが、自ら公々然と自分を指導民族であると表明するのは、民族国家対立時代ならばまだよろしいが、国内に異民族を抱擁するに至らば、大なる危機を伴ふ。(中略)朝鮮民族は明治四十三年八月以来、既に立派な皇民である。一時叫ばれた朝鮮の「皇民化運動」は明治天皇の思召に対し奉り誠に不敬と言はねばならぬ。(中略)またナチスの民族理論を鵜呑みにすれば、朝鮮の同化政策は非常な間違ひだといふことになる。(中略)ヒツトラーによれば、朝鮮民族にはなるべく日本語を教へないやうにと言ふことになる。ヒツトラーとしては已むを得ない考へであらうが、我々は違ふ。しかし所謂「同化政策」には深甚な反省を必要とする。民族意識を政治的力を以て抹殺しようとしても不可能である。日鮮両民族が自然の大きな文化現象によって一民族になることは固より希望する所であるが、かゝることに就いての論議は十分に慎重でなければならない。

 最終的に一民族になるまで先頭を切るが反感を買わないように偉そうにしないようにしようってことですか?前も書いたけどやはり傲慢な感じはしますわね。

 

 第三 綱領の研究

(一)ユダヤ排撃

ユダヤ人はドイツではひどくきらはれてゐる。如何となれば、ドイツ人は極く素朴な愚直とも云へる勤労的国民性を有するに対し、ユダヤ人は利に敏く商売人としてうんと儲けるからである。特にインフレの時はひどかった。インフレで一番困るのは俸給取りや恩給生活者で、商人はむしろ巨利を博する機会に恵まれる。ドイツ人は大体月給取の生活をやつてゐるものが多いから、自分達の生活が苦しくなればなるほど、ユダヤ人が憎くてしようがない近頃東亜にも似た姿があらはれて来た。中国に行つてゐる日本人連中がどし/\家族を日本に帰してゐる。今迄高い月給を貰つて得意になつてゐたのが、最近のインフレで動きがとれなくなつたのである。中国人は大抵何かの商売をしてゐるのでインフレには困らず、却つて昨日迄よれ/\の着物を着てゐたものが今日はりゆうとした服装をするやうになり、逆に千円の月給の日本人がだんだん見すぼらしくなつて来た。かうなると、「何だ、支那人はつけあがつてゐる」と憤慨する。これが定石だ。私は、かうして中国に必要のない日本人が帰るのは、事変解決のために大いに結構だと思つてゐる。

 そうだったんですねー。ほんとだ、帰れ帰れ!

 

(三)経済政策

ソ聯革命の指導者は、労働者を煽動し殊に農民に土地を開放して、その圧倒的支持を受けた。ロシヤの地主は日本の地主とは丸で桁が違ふ。(中略)その後あらゆる困難が相次いで起ると、レーニンスターリンもこれを巧に外患に転嫁して、国内の結束を強化したのである。(中略)この大建設の蔭に国民の生活はツアー時代より遙かに悪い状況に追ひやられたのであるが、(中略)とにかくスターリンを指導者と仰ぐやうにさせたのである。この成功は何と言つても、国防国家を目標にした驚異的建設の魅力によるものと信ずる。

今日は人類にあつてこの方、未曾有の大戦争が行はれてゐる。南方の選曲は苛烈になつて来たが、日本はまだ片手で戦つてゐるやうなものだ。これに反し、独ソは全身をぶつけて戦つてゐる。実に人類史上に未だなかつた大格闘である。独ソ戦争は端的に云へば、四年計画と五カ年計画の戦争である。

 確かに死者数を見ると独ソ戦はヤバすぎますしね。ちなみに本書は昭和十九年一月の講演録です。

スターリンは一国社会主義建設と称してカムフラージュしてゐるが、自らは国力の飛躍的増強を計りながら民主主義国家と全体主義国家を喧嘩させ、へと/\になつた時に一挙に世界赤化の決勝戦をやる積りであつたに違ひない。私は地獄でスターリンに聞いて見ようと思つてゐる。

 このような味方は今はありますけども、当時そのように見ていたのは慧眼と言えるんでしょうかね。

 

(四) 我等の建設方策

 ここでは八紘一宇実現後の社会や、それまでにどのように「建設」して行くか、例えば義務教育をどういう制度にするとか細々と書かれております。

かくの如き国土の変貌に伴ひ、個人の生活も根本的に革新され、人類を生物学的に滅亡させんとする享楽生活は清算されて、真に質実にして剛健、而もこの中に優雅たゞよふ、東洋人的人生観に即した新しき生活が創造されるに至る。(中略)衣服は、もつと本当の意味での新しい型が生まれなければならぬ。(中略)私は婦人の模様物を全部禁じたらよいと主張してゐる。(中略)中国のやうに、子供から老人まで男も女も青一色と言ふのも、すつきりしていゝものである。(中略)国民が上下の別なく、玄米飯に(?)をかけ菜ッ葉汁で家族一同が「旨いなあ」と言つて感謝しながら食事をするやうになれば、昭和維新の卒業期に達したのである。住宅については、家族の数に応じて標準家屋を徹底し、それ以上の家屋には思ひ切つた重税を課すべきだ。(中略)この新生活に伴ひ、世に充満してゐるあらゆる虚偽は自然に払拭され、誠心が恢復するのである。昭和維新の結果は此の如き総合的革新が行はれ、所謂自由主義文明を完全に克服するのである。

なんかやっぱ共産主義っぽくないっすかね。同じ国柱会宮沢賢治の「雨ニモマケズ」のような生き方でしょうか。

 

この後ヒトラーが国内の共産主義者と如何に戦ってきたかなどなかなか面白いですが、まあ今回はヒトラーが主題ではありませんので割愛。しかし好きでやってることとは言え疲れたー。さっさとこういうのはみんな青空文庫に入れてほしいね。

 

香港デモ隊への提言

今後香港がどうなるのかは多くの識者が予測を試みていますが、どれが当たるのか難しいですね。

 

さて中国政府がデモを押さえる場合、どういうシナリオが考えられるのか。一番過激なのは武力鎮圧ですね。デモ隊をテロ呼ばわりし始めたのもその布石とも言えるでしょう。とは言え国際的な非難は避けられず、他の方法があるなら敢えて選ぶ必要はない。

 

雨傘革命の時のように自然な沈静化を待つ策が上策に見えますし最初は実際そうなるんじゃないかと私も思ってました。しかしそうだとしたら白シャツ集団の投入などは香港人の怒りを買うので逆効果ですよね。

 

とすると武力鎮圧の可能性は思ったよりも高いのかもしれません。その場合大きな障害となるのは国際世論ですから、SNSでの拡散等でもどんどんやるのは中共への圧力になるかもしれません。実際現地のデモ参加者が望んでるのはそれのようですし。

 

では両者落とし所はどうするつもりなんでしょうか。中共の勝利はデモ隊の活動を雨傘革命の後ぐらいまで沈静化すれば十分でしょう。デモ隊の勝利は何でしょうか。まず香港政府は逃亡犯条例の審議を引き伸ばすことによって沈静化させようとしたわけですが、これではデモ隊は納得しませんでした。

 

ではデモ隊はどうすれば満足なのか。中共と比べると勝利条件が曖昧な気がします。審議延期では承諾できなかった。では逃亡犯条例の完全廃案でいいんでしょうか?これでもやはり香港の中国本土化を食い止めるには時間稼ぎにしかならないでしょう。

 

これはエッチくんの案なのですが、どの状況になればデモ隊を解散するのか明確に発表するといいんじゃないでしょうか。香港独立という主張は、デモに参加した人たちの中でも多数派とは言えないようで、現実的ではない。例えば選挙に中共に都合の良い人しか出られない現在の擬民主主義選挙制度を変えて一般的な選挙制度の実現を落とし所にするとか。もちろんこれを中共が飲むかは別問題ですが、デモ隊の運動方針にも、海外から応援してる人にも目的が明確化するのは良いですよね。

 

今回は基本的にデモ隊と北京政府だけをプレイヤーとして論じましたが、中共が言うような米英による陰謀というのはなくとも、トランプは米中協議に香港問題の解決を絡めようとしてるようです。今回の主題とは離れますが、やはり重要なプレイヤーなので気になりますね。

 

www.excite.co.jp

東條英機は何故支那よりの撤兵拒否に拘ったのか

開戦前の日米交渉について、いつか纏めてみたいとは思っているのですが、比較的有名なところで、いまいち理解出来ていないことがありました。日米交渉に於いて支那よりの撤兵を頑として拒否していたことです。なぜそこまで?と思っていたのですが、今読んでいる本でその点について少し明確になった気がしたのでメモとして書きます。

 

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これは「東条英機「わが無念」―獄中手記・日米開戦の真実」に書かれてることです。ちょっとタイプするのが面倒なので写真で失礼。いずれにしても内容としては支那事変は排日侮日居留民への迫害が原因であって、その原因が除去されない以上、撤兵しても同じことが繰り返され根本的解決とはならないということでしょう。

 

今までは、軍国主義者(?)がこれまでに散華した英霊に申し訳ないみたいな主張をしたという感情論しかほとんど見たことがなかったので、それよりは合理的な主張を見ることが出来ました。改めてWikipediaを見るとこのようなことも書かれていました。

東條率いる陸軍はかねてから中国からの撤兵という要求を頑としてはねつけており陸相時の東條は「撤兵問題は心臓だ。米国の主張にそのまま服したら支那事変の成果を壊滅するものだ。満州国をも危うくする。さらに朝鮮統治も危うくなる。支那事変は数十万人の戦死者、これに数倍する遺家族、数十万の負傷者、数百万の軍隊と一億国民が戦場や内地で苦しんでいる」「駐兵は心臓である。(略)譲歩、譲歩、譲歩を加え、そのうえにこの基本をなす心臓まで譲る必要がありますか。これまで譲り、それが外交とは何か、降伏です」「支那に対して無賠償、非併合を声明しているのだから、せめて駐兵くらいは当然のことだ」とまで述べていた。

東條英機 - Wikipedia

 しかしやはり上記の本の記述が一番すっきり分かりやすい気がしました。例えばWikipediaで引用したものは謂わばトリミングされてるのに対し、獄中日記に関しては自分なりに系統だって記述したものですし。いすれにしても東條英機が撤兵問題にそこまで拘っていたのが個人的にイマイチ分からなかったところに一番得心させられました。もちろんそれでも撤兵すべきだったという考えはありだと思いますが。

 

ライバル的に採り上げられることの多い石原莞爾には講演録などが多く残されているのに対し、東條英機の言葉として残っているのはこの獄中記や東京裁判での証言ぐらいしかなく、知名度の割にどういう人なのか分からないところが多いので(もちろん東條英機に関する本は多く、その中に東條英機の発言は多く書かれてはいますがやはりトリミングされたものだし、本当に言ったのか証拠もないものも多く、著者の東條英機への評価により偏りがある感が拭えない)、東條英機が自殺に失敗し、獄中記や裁判での証言が記録されたことは貴重な記録となったと思います。

 

知ってる人も多かったのかもしれないし、あまり大した内容ではなかったかもしれませんが、個人的にずっとモヤモヤしてた問題なので取り急ぎメモ代わりとして。

 

今日は終戦記念日でしたね。拙句を一つ。

何事もな曰ひそ終戦

香港デモ隊への謝罪

香港でデモをしてる方たちに謝りたいと思います。もちろん私はずっと反中共ですから、香港の活動家を支持してきましたが、雨傘革命の挫折や、これまでに私が会った香港人たちの話などを勘案し、やはり最終的には中共に呑み込まれる運命なんだろうと悲観しておりました。しかし、今回このような粘り強い長期に渡る抗議活動を見て、もっと応援したい気持ちが俄然湧いてまいりました。

 

香港では情報戦が激化し陰謀論的なものも多く出ています。推測は出来るもののハッキリと証拠をつきつけてこうだと言えることはなかなかないですね。有名なとこだ人民解放軍が既に現地入りしてるとか、警察がデモ隊に紛れ込んでるとか、暴徒化したデモ隊は自作自演だとか。確認出来るのもあるかもしれませんが、数が多すぎてチェックしてられません。

 

中共が盛んに宣伝してるのは、デモ隊を英米が支援してる、つまりデモ隊は英米の傀儡という説。例えばこんな写真が。

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香港市民には同情的でもこのような外国勢力の介入は許せないという中国人もいます。工作だとしたらとても単純な工作だけど意外と効果あるんですよね。

 

ところで中国では軍事費よりも治安維持費の方が掛かってると聞いたことがないでしょうか。ではそんなに大陸でも香港のようなデモが起こってるのかというとそれは違うのです。大陸でのデモは退役兵の待遇改善とか、立ち退き料の交渉とか、個人的な利益のためのデモであり、反政府運動のようなものではありません。ウイグルとかであるのかは知りませんが。その点、香港の今回のデモはかなり性質が異なります。そこで中共としてはこのような香港型デモが大陸に波及しないように躍起になっているようです。

 

いずれにしましてもわたくし今回香港市民の意気に打たれ勇気をもらった気がします。香港加油

自虐史観の再生産の一例

時事問題が続きましたが今日は私の憂さ晴らしを兼ねて。

 

度々言ってるように私はwechatの日中交流グループチャットに参加してるので、そこでの会話を見てつらつら思うことを書きたいので、まずはそこで書かれたたことを紹介したいと思います。

 

その前に前回このグループに関して書いた件を見ていただければ尚ありがたいです。

参考:2日前ですが7月7日は何の日? - 王蟲の子供

 

ではグループでの発言をいくつか見てもらいたいと思います。まずは日本人Lさん

ここに感想を載せてもいいとのことなので、載せます。あの時、もう書き終わっていたけれど、なんとなく今になりました。
@S君
この前の日曜日に盧溝橋と中国人民抗日戦争記念館に行きました。Kさんが教えてくれた瀋陽の9.18事変のことも、撫順の平頂山での大虐殺のことも、南京での大虐殺(生き埋めにしたり、何人の人を殺せるか競争したり…)、従軍慰安所のこと、日本全国に強制連行して過酷な労働を強いたこと、東南アジアへも奴隷として中国人を送り苦役を課したこと、731部隊を始め、いくつも部隊が様々な方法で様々な人体実験を行ったこと、アヘン中毒化させたこと、また釣魚島や靖国、教科書問題、集団的自衛権や韓国との従軍慰安婦問題まで全てありました。第二次世界大戦中の戦争状態にあった年数も死者の数も中国が最も長く多い。考え得るあらゆるひどいことをしたんだ、どの行為も正気の沙汰ではできない、日本人は生まれながらにして残虐なのか、そうでないとすれば、いかにこのようなことができる心理に至るのか、それを知りたいと思いました。ベトナム戦争でのアメリカ兵の心理について書かれた本を読んだことがあり、人はもともと面と向かっては人を殺せないようにできていて、条件反射的に殺す訓練をして初めてそれができるようになると。そして人を殺した人の殆どは生涯に渡りそのことに苦しめられると。ではその残虐な行為をした日本兵はどんな気持ちだったのか、その後どうなったのか。そしてその時、その場所にいた中国人の人たちはどのように抵抗したのか。どのようにしたら小さな国の日本が中国、韓国、東南アジアに及ぶ広い範囲を侵略していくことができたのか。この記念館が日本にあり、日本人も日本語での解説で見ることができたらいいのにと思いました。どこを見ても抗日と書いてある、全世界が日本を非難したと書いてある、やはりこれを見たら日本に嫌悪の念を抱くしかないと思いました。こんなことなら、後世皆に感謝されることをした方がずっといい…。あの当時の世界の状況を、世界の現代史について、片っ端から関連する本を読まないと理解できないなと思いました。誰の言葉なら、客観的な視点で語っていると信頼できるのか、それが分かればなと思います。
三横さんは、例えば大屠杀纪念馆に行ったらショックを受けるでしょうねとおっしゃっていましたが、この記念館で見た内容と言うよりもショックを受けたのは別のことでした。記念館の出口近くに床が一面ガラス張り(透明)になっている部屋があり、床下のスペースにはたくさんの銃や当時の食器やお金、色々なものが展示されており、その中に日の丸の日本の国旗もありました。その時、そこにいた9~12歳くらいのワンピースを着た女の子が、ちょうど日の丸の上に来た時、足で踏みつける動作をして顔を上げて得意げな感じで笑ったんですね。目の前にいる人の行為だったからか、これが一番ショックでした。きっと学校の先生や親から日本がどんなにひどいことをしてきたのか教えられているんだろうか、これからも日本のことが嫌いなのかもしれないと思いました。
ファシズムと聞くと、日本の人はナチスドイツやイタリアを思い浮かべるかもしれないけど、中国の人にとってはファシズムは日本だと思う。どの国も自国の見方でものを見る傾向があるから、例えば日本が10000の悪いことをして、1つ良いことをしてたとしても、中国や韓国ではその10000の悪いことだけを習って、並列して1つの良いことは習わないかもしれない。逆に日本は10000した悪いことの内、10だけさらっと習って、深く掘り下げて考えたりしてないかもしれない。ある記事で戦後の賠償問題は国際法的には一定の合意を得て一応の決着をみたようだが、曖昧なまま放置してきた部分もあり、そこを含めてきちんと向き合って相手と意見を突き合わして、法的なことを押し通すのではなく、相手の心情や立場を推し量り、理解しようとして、折り合いをつけていく必要があると書いてあった。なぜ日本の政治家はそうしないのかなと、口で言うほど簡単ではないのかもしれないけど、少なくとも公人としてパフォーマンスのように靖国神社を参拝することを止めるくらいすぐにでもできるのになぜわざわざ行くのかなと。こちらに来る前、中国で日本人だと言ったら、それだけで嫌がられると思っていた。それはこのグループの人たちで集まった時に否定されたけど、それでもやっぱり日本人と答えるのには抵抗がある。それに前のルームメートやその家族、その他にも知り合った色んな人たちが、真実なら良いが、歪曲や誇張が含まれたニュースを見ることがあるかもしれないと思うと、やはり悲しい。

これに対するある中国人Sのレス

こんなに詳しくかつ丁寧に感想を語ってくれてありがとうございます。

先の戦争及び日中関係における問題点については、私が述べたいのは三つほどありますが、まず一つは戦後処理の問題。1972年に田中角栄さんが国交回復のために訪中して、僅か4日間の交渉で両国政府は合意に達し、共同声明を発表したわけですね。それで一見法的に決着がついたように見えるんですけれども、実際はご存知のように日中両国は政治体制がだいぶ異なるので、例えば賠償の放棄、中国ではトップの人がオッケーと言った以上、誰もがノーと言えない。そこのところ、日本の政治家たちもよく分かってるはずですね。後々になって、民間人による賠償の訴訟を起こされたとき、日中共同声明或いは日中友好条約を根拠とした日本政府の公式見解は、私は極めて無責任だと思います。そのようなことがあるからこそ、感情的な隔たりが戦争が終わって数十年経った今日でもなお深いものであると私は考えます。

それから二つ目は、客観的に言って中国のほうにもいくつか問題があると思いますが、実は1970年代半ばから80年代末にかけて、日本の家電製品はさることながら映画やテレビドラマもどんどんこっちに入ってきて、かつて敵対国であった日本のイメージが相当変わったんです。ところが90年代に入って、何故かムードが一変して教科書問題やら靖国公式参拝問題やら尖閣諸島の領有権問題やら次々と取り上げられるようになって、それに合わせてるかのように所謂「抗日神劇」が数え切れないほど登場してきたのも正にその頃からです。今やネットにおいては三十年前だととても考えられないような過激な反日言論は随時見られる有様です。そういう時代の急激な変遷を私は体験してきた人間なんでね、率直に言って自然発生というよりもかなりの部分で政治に操られてるような気がします。

そして三つ目は、こうした状況のなかで、私達は一民間人として何をなすべきかということになりますが、やはり自分なりに努力して相手国の実状をよりよく知ること、また、できるだけ多方面から意見を吸収しながら自分の頭で考えること、その上であらゆる機会を通じて誠意を持ってコミュニケーションを取ることだと思います。要するに政治家に頼らず、民間人のひとりひとりがみな力を合わせれば、時間がかかるかも知れないが、必ず明るい未来があると私は確信しております。

話がずいぶん長くなってしまって申し訳ありません。@Lさん

更にLさんのレス

あぁ、ありがとうございます。こんなに噛み砕いて説明して下さって。流れがよく分かりました。最後の言葉を聞いて、それだけで明るい未来があると思えました。記念館に5時間くらい居たんですが、はっきり言って、やっぱり日本語じゃないからか、説明を見ても字面を目で追ってるだけで、全然意味が頭の中に入ってこなかったんです。あぁ、これは記念館に1ヵ月くらい泊まり込んで一つ一つ解読していかないとわからないと…。小学生がプリントを持って、一所懸命に空欄の穴埋めをしているのですが、どんなキーワードを書き込んでいるのか気になり、見せてほしいと言いたくなりました。そして6,7歳くらいかと思われる小さな子がマイクをつけてガイドをしてたんですが、全くよどみなく淡々と各パネルを次々と説明をしていて、感心しました。
最近知り合ったいつも学校内を夜散歩されていると言うとても親切な60過ぎくらいかと思われる中国人の方と一昨日もばったり会い、話していたんですが、日本人の7,8割は中国人よりも素质がいい、これは私自身が感じたことで、私だけでなく他の人も言っているとか言うので、7,8割?!それはないやろと思い、心が苦しくなりました。どこの国でも違いはないと思うから、良い人と悪い人だいたい半々くらいだとしたら、5割ならまだ分かる…。最近、知り合った韓国人の女の子たちも日本の○○がいいとか言って(当たり前かもしれないけど)普通に話をしてくれる…。それだけじゃない他の人たちもみんな。。こんな人たちがいるのに、もう私たちは絶対に悪いことはできないなと思いました。@Sさん

読むの大変だったと思いますが、未だに中国のプロパガンダを簡単に信じてしまう日本人がいるんだなあと、その顛末を目撃したものとして記録して置こうかとおもいました。ちなみに私も日本軍は何どんな横暴もしなかったと思ってるわけではありませんよ。。

 

いずれにしてもこの程度の展示物等でで日本人がこのような認識を持ってくれるのならば、それは中共としては博物館もつくって宣伝しますわ。

 

 

ところで今回レスしてる中国人のSさんはそこに参加して割とよく発言してる中国人の中では割と偏りの少ない人です。逆に言うとこれ以上日本擁護や中共批判の立場のことはwechatなどでは発言しません。VPNを使ってインターネット制限を破ってニュースを見て、中共発信のニュースに疑いを持つ人もそれなりにいて、そういう人は個人的には自分の意見を話してくれますが、監視されてる可能性のあるwechatなどでは話しません。

 

まあ中国人は仕方ないのです。ここに出てくるKさんSさんみたいのが度し難い。ちなみにこのKさんは36歳とかですからね。最初は全共闘世代かと思いましたよ。今後も一定数存在し続けるんでしょう。

上杉隆氏のN国党幹事長就任をどう見るか

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先日書いたようにN国の現在の内情はよく知りませんが、多分どちらかと言えば右側の人が期待している人が多いでしょう。そんな中、上杉隆氏がN国幹事長に就任との報。

 

上杉隆さんはどちらかと言うと右側の人は嫌いな人が多いと思います。その辺も先日書いたように立花さん自身がそれほど思想的に右左という枠に必ずしも当てはまらない人だと思うので、そういう意味では「らしい」人脈だなと思いました。

N国腹心の人との飲み - 王蟲の子供

 

 上杉隆さんはかように左翼にも嫌われてるようです。まあどちらからも嫌われているようですが、逆にそういう人を仲間にするというのは、私は面白いと思いますね。N国を支持する人は最大の既得権益と言える既存メディアと戦う姿勢を評価してるのでありましょうし、それに役立ってくれるならね。上杉隆さんについて多く知ってるわけではないので彼個人についてはなんとも言えませんが、まさに何翼でもない人が大事なんだと思いますね。ほとんどの人は何翼でもないんだし。

 

エッチくんが最近立花孝志の動画にハマって毎晩風呂で見てるらしく、数年ぶりぐらいに私も彼のYouTubeを見てたら上杉隆と仲が良いと言ってるのを見て「ほぉー」と思ってた直後に見たニュースだったので個人的にはとてもタイムリーなニュースでした。

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