最近朝鮮事情所感4

最近朝鮮事情所感1 - 王蟲の子供
最近朝鮮事情所感2 - 王蟲の子供
最近朝鮮事情所感3 - 王蟲の子供

 

続いて朝鮮の国体について書かれています。ご想像の通り上から下まで人心腐敗してる惨状が述べられえてます。まあ一例を引用。

ところがこの大韓国はほかの国と違って、その王室は決して国民とその喜び・悲しみを共にするということはない。ただ貴族のみは王室と利害を共にしているようであり、また国王の信任を得たものは其の恩沢に預かって利益を受けるが、そのほかはそうでもない。であるから誰も彼も国王に取入ろうとして、魂胆をめぐらし、運動やら紛争軋轢やらと実に醜い状態を極め、したがってその間に立って侍女や宦官、官妓、巫女などが旨い汁を吸うのである。

(中略)

だから常民共が王室を見ることは旅人が王室を見るのと同様で、王室に大事があろうが一向に平気なもの。気にもかけない。かの明治27年の王宮の事変の時も、また明治37年今の王宮である慶運宮が火事で焼けた時でも、京城の人民らはガヤガヤ王門の外に集まって来て、例の長キセルで煙草をふかしながら、互いに笑いあい語り合って面白そうに見物しているという有様である。

(中略)

 また宦官は役人になることが出来ないが、野心はあるしという親達が、子供が幼児の頃に去勢し、大きくなってから宦官に出す。宮に出入りし多くの仕事をするので賢いやつは大いに権限を得るに至るのである。

明治27年の王宮の事変というのは甲申事変のことですね。

 

次に朝鮮の政治体制ですが、もともと唐や明などを参考にしており制度上はそれなりに発達しているのだが、実際には運用も乱れきって機能してないというようなことが書かれてる。というわけで1897年に井上馨の忠告で組織を改めたそうですが、あまり役に立たなかったようです。

 

次に裁判についてですが、これもご想像の通り賄賂拷問がまかり通ってたようです。また一部だけ引用。

ことに小役人が賄賂をとる弊害は実にお話にならない程で、全く無罪の人でも時に捕えてきて賄賂を要求し、思うように賄賂を出さなければ実刑に処することがある。また誰かに怨みを持ったというだけの人に対してもこの忌まわしい手段をとることがある。 

 

近年になってこれらの役得を欲し、賄賂を払って郡守県令になる者も多い。したがって彼らは払った賄賂の額を取り返すために、罪も無い人民をヒドイ目にあわす者が出るようになった。

これも制度を日本式に改めたが賄賂拷問が続いてるとのこと。

 

           次に朝鮮の党派について。

日本党とか支那党とか、ロシア党とか、時により色々名をつけるけれど、これも一時の便利都合の上からのことで、日本党とて永久に日本党ではなく、支那党とて何時までも支那党というわけではない。 

 

彼らの事大根性と言うのも、別に根底にある根性でもなく、ただ大国に頼っていれば自分の地位が安全であるということから、その時々の勢力にある自分の都合の良いような方法に頼るだけで一定した主義ではない。 

 

日本が一番勢力があれば、彼らはこれまでの縁故や関係には拘わらず日本について来る。しかし日本についているその間にも、公使についているのが地位が安全であるかとか、駐箚軍司令官の機嫌を取った方が地位を得るのによいかとか、色々考えをめぐらし、小策を使い、お世辞追従を振りまくのである。もし彼らのお世辞追従がうまく取り入れられると、そこで彼らは公使党とか司令官党とか言い出し党派が出来るのである。各国が勢力を伸ばせば各国の党が出来、一国が勢力をもっても其の中で色々の種類の党が出来上がるのである。 

 これも恐らく当時の朝鮮についての皆さんの想像通りでしょうかね。この辺が日韓の歴史を語る時に説明しづらいところですよね。

 

これら政界の有様を別にして党派らしい党派は東学党活貧党、負褓商ぐらいだと。

 

東学党東学党の乱で日清戦争のきっかけにもなったのでまた書く機会もありましょうが、著者の言うには古くからある団体で学派とも宗教とも言えない一種曖昧な迷信団体とのこと。

 

活貧党は貧民を活かすという意味だから社会主義的な党派かと思いきや、富豪の物を強奪する群盗に毛の生えたようなものとのこと。

 

負褓商はもともと行商の団体で、盗賊も多いから隊を組んで往来したもので正常な商人団体だったが、一度義勇兵として働き特権を与えられてから、横暴な怪団体になってしまったとのこと。

 

一般に会団を好む傾向があるが皆長く続かないとのこと。

 

続きまーす。今回は全体的にイメージ通りといった感じでしょうか。

最近朝鮮事情所感1 - 王蟲の子供
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