満州国2 ~満州人脈編~

満州国 ~石原莞爾編~ - 王蟲の子供

 

八紘一宇とか五族協和とといった言葉と満州国の理念について書きましたが(満州国 ~石原莞爾編~ - 王蟲の子供)これは謂わば戦前の右翼の一つの理念なわけでしょう。今右翼というと民族主義的なイメージがあるかもしれないけど、この言葉だけ見ると多文化共生という今の左翼のいうことと似てるようにも見えますね。超ざっくり言うと両方ともグローバリズムなのかと。保守の定義は曖昧ですが多分今保守を自認してる人の多くは反グローバリズムだと思います。

 

さて所謂満州人脈というのが戦後の右翼あるいは保守にとって一つの大きなキーワードになるわけですが、ビッグネームとしては児玉誉士夫とか笹川良一なんかがいます。僕が子供の頃にはまだ笹川良一が生きていて「人類みな兄弟」とかいうCMがよく流れてました。笹川良一みたいな自らファシストを自認する人が今生きて発言力を持ってたら朝日新聞なんかはどう書いたんだろうかね。

 

この満州人脈が戦後反共ということで勝共連合の母体となり、この中に文鮮明などの統一教会関係者がいたことから未だに保守派を叩くときの一つのツールとしてこの関係が利用されるわけです。反共ということで日本を反共の砦とするためにアメリカも裏では繋がるわけですな。岸信介とかを通して。ちなみに朴正煕もこの人脈に連なります。

 

今と当時では共産主義に対する危機感がだいぶ違うんでしょうね。勝共連合自体には反共以外に特に思想はないと思います。つまり満州人脈ニアイコール勝共連合ですが、石原莞爾笹川良一には思想的繋がりがあっても、勝共連合には思想はないということです。統一教会がどういった性格のところであるか一般に明らかになったのは1980年代に霊感商法合同結婚式などが問題になってからで、そこからは日本の保守派も統一教会と関係を断つ人が増えますが、一応確かに勝共連合の主張は保守と確かに多く被るんですね。

国際勝共連合共産党共産主義の欺瞞と間違いを明らかにする[8]と主張しており、創設直後から共産主義者同盟共産主義者同盟マルクス・レーニン主義派など共産主義系の組織に対抗した活動をして来た。 その主張から世界各国の反共保守派要人と交流を持つ。「新しい憲法を作る国民大会」に賛同的であるなど、日本の「憲法改正」や核武装化を主張する[9]国家秘密法スパイ防止法)制定推進に熱心であり、「スパイ防止法制定促進国民会議」を組織した[10]。主な運動方針は以下の通り[11][12]

国際勝共連合 - Wikipedia

 ただし統一教会は日本の保守派の立場でいうところの自虐史観というのに立ってます。しかしこれは彼らにとってどうでもいいことなんでしょう、分派となると歴史観を平気で変えます。脇の甘い田母神俊雄さんなんかはこういう組織に簡単に騙されるんでしょうね。ダイアモンドクラブ、芦別の天都など名前を変えて保守人脈を取り込む。(ダイアモンドクラブ代表の西間木直子と田母神さんがまたくっついたらしいです)まあこの満州人脈というキーワードを知ってればいくつかのデマゴーグに対して冷静な目を持てるんじゃないでしょうかね。

 

戻って八紘一宇的な理念ですが、あまり理解がないままそれを素晴らしい!って持ち上げてる保守の人がいたら、実はそれって左翼の言うのとあんま変わらないぜって言いたいです。どちらも現実から離れてる。