満州国 ~石原莞爾編~

満州国というのは戦前戦後の歴史を紐解く上で非常に大きな視点を与えてくれると思います。まあ本当に色々ありすぎるのですが今回は石原莞爾について。今日はほとんど姐さんの受け売りです。

 

満州国の建国には関東軍が大きく関わっていたわけですがその建国の理念として国柱会石原莞爾の思想が色濃く反映しているそうです。

機関銃と法華経 石原莞爾の世界最終戦論 もぎせかブログ館/ウェブリブログ

国柱会 - Wikipedia

これらの戦史研究の上に、アジア主義と八紘一宇の思想がのっかったのが、石原の世界最終戦論です。日米開戦の前年(1940)、京都での講演で明らかにされました。

世界の現状と未来
1.現在、世界では4つの国家連合(米・日・ソ・独)が争っている。
2.やがて世界は2大勢力に統合される。日本(王道)と米国(覇道)が対立。
3.世界一周が可能な飛行機、敵の都市を壊滅できる決戦兵器が開発され、次の戦争は殲滅戦になる。
4.日本がこの最終戦争に勝利し、天皇を戴く世界統一国家を樹立。八紘一宇を実現する。

そのための準備として
1.米国に先んじて最終決戦兵器――原子核エネルギーを使った兵器を開発。
2.敵の空襲に備えた完全な防空体制。人口の分散、首都機能の移転。
3.日本と満州で完全な自給経済圏を実現。五族協和の実現。
4.支那事変(日中戦争)の早期終結により、日満支連盟、東亜連盟を樹立。

だから満州事変を起こしたのだ、という理屈になります。

石原莞爾は天才であったのかもしれませんがやはりここまで来ると思想的にはカルトに近いものを感じます。僕は日蓮宗の檀家ですが日蓮宗は昔から嫌い。何故かと言うとやはりその排他的なところですね。日本の伝統宗教のなかでそれはかなり特異なものだと思います。更にそこから日蓮正宗創価学会などにおいてをや。

 

いわゆる国家神道というのは本来の神道とは異質なものになっていますがこれは西洋に対抗するために明治維新の時に一神教をモデルに作られたものだと思います。この国柱会というのを見るとやはり日蓮宗はそこにとても親和性がありますね。拡張主義的なところも非常に似てる。創価学会もそうでしょ。

 

結局のところこのような思想は本来の日本とは似て非なるもので必要に迫られて出来たものなんでしょう。現在の日本の保守が再びこのような思想に染まらないことを願いますね。戦後押さえつけられた反動からともすればこういう方に行きかねない匂いもするので。戦前戦後問わず左翼というのは危険な思想だとは思いますが、こういったタイプの右翼はまた危険。これを右翼というのかはしりませんが、今一般の人から危険視されるとしたらこういうのではないかな。

 

満州国2 ~満州人脈編~ - 王蟲の子供