最近朝鮮事情所感9

最近朝鮮事情所感1 - 王蟲の子供
最近朝鮮事情所感2 - 王蟲の子供
最近朝鮮事情所感3 - 王蟲の子供
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最近朝鮮事情所感5 - 王蟲の子供
最近朝鮮事情所感6 - 王蟲の子供
最近朝鮮事情所感7 - 王蟲の子供
最近朝鮮事情所感8 - 王蟲の子供

ここまでに書き漏らした朝鮮の習俗を雑多に挙げ、改善点の提案などをしています。

 

仕事を怠けて棒で殴られても痛がらずに平気なので懲らしめようがない。その辺の木や草の根をとって煮て食べるので食べられないものはないかのようだ。牛の血も大好物。大抵のものは生で食う。(そう言えばイザベラ・バードも生魚に唐辛子か何かかけて頭から全部平らげてたのを見たとか。)朝鮮人は夜と昼を間違えてるような気がすることがある。三長というのがあるというからなんだと聞いたら、「鼻の下が長い」「気の長い」「キセルの長い」ことだと。五大を恐れると言うので聞くと、太閤秀吉、大院君院、大鳥圭介、大島義昌、大石正巳。

 

次に著者なりの朝鮮風俗社会改善法の提案。

 

1,内房制を廃止し、男女の交際法を改める

2,早婚の弊を改め、未婚者を軽蔑しないようにする

3,年長者をを尊ぶのはよいこだが極端すぎるので調和改良する。

4,お墓の場所を占い師が適当に決めるので、耕地を潰し生産力を害すので改める。

5,喪を短くする。

6,温突(オンドル)を廃止する。

7,服制を改め白衣を廃す。

8,断髪断行

9,煙草の習慣を改める。

10,朝夕2食の制度を改め世界一般の3食にする。

 

どうなんでしょうね。余計なお世話って気がしますけど。

 

 次に朝鮮の田舎についての記述は割愛。次に交通。海路は割愛、陸路も鉄道は以前書いたのと被るので割愛。道路についても「道路と呼べるものはない」というよく知られてることが書いてあるので割愛。橋梁が極めて少ない点も同様。というわけで日本と関係あるところということで、人力車が日本から入ってきた様子のところだけ。

昔から朝鮮人の乗り物は、男子も女子も共にカゴを用いて居たのであるが、日本より人力車を輸入してからは、京城や釜山など日本人の車挽きもいるが、今では朝鮮人の辻待車さえ段々増えているようになった。けれどもこの人力車の乗客は、日本人やそのほか諸外国の人や、下流社会朝鮮人などが主で、朝鮮の女子および上流社会の朝鮮男子は今でもやはりカゴに乗る風があって、上流社会で人車に乗るのは朝鮮ハイカラの部分に止まっている。

 

田舎から京城に往来する役人らは、汽車の便のない所は大抵カゴで、また馬に乗る者もいる。カゴは4人担ぎでその費用は馬より倍以上かかる。かように朝鮮の役人らは大抵はカゴなどに乗って往来するものであるから、道路の良し悪しには関心が行かない。そこで朝鮮の道路は昔からこのかた修繕ということを一向にしないので、その道の悪いのも当然である。

 川については著者の朝鮮への態度が表れてるので一応。

朝鮮の水路は、日本に比べ川が大きい上に流れが速やかなのが多いから、したがって相当に船運の便利が多い。けれども昔から河を浚ったり堤防を築いたりなど治水ということをしないで自然のままにしているから、川の割合にその利が少ない。もし治水を完全にしたらその便はマダマダ盛んになって来るに違いない。

 

では次に朝鮮の宿屋。まあこれも大方予想通りだと思うので割愛してもいいのだけど、概略述べると、臭いのと不潔なのを我慢できれば容易で安価で、朝鮮慣れして愉快も感じられるし朝鮮の事情を知るにはよいが、窃盗に注意。3都8港、鉄道沿線には日本の宿もあるが内地の倍の値段がする。

 

次に朝鮮の金融機関。色々あるが未発達で銀行があっても貸金屋と大して変わらない。日本の銀行が進出し特に第一銀行は実質中央銀行のようになってる。(そう言えば10年前ほどのイザベラ・バードの本にも在留外国人は第一銀行に全幅の信頼を置いて取引してると書いてあった。)日本の貸金業者もいたらしく、日本人相手と朝鮮人相手では扱いを変えてた模様。欧米人にはどうだったんだろうか。そんなに借りる人もいなかったのかな。

日本人の中にも貸金業を営む者が少なくない。彼らは朝鮮人に対しては全て確実な担保を入れさすのが一般で、その期限は普通3ヶ月で、利子は月3分から5分位。また日本人に対しては担保があれば2、3分、信用貸しは3分から5分位が普通である。

 

次に貨幣について。実質上日本と朝鮮の両貨混用の国となってる。朝鮮人同士、或いは朝鮮人相手の商売は韓銭で、日本人欧米人の間では日貨で売買する。政府は韓銭を無茶苦茶発行するし人民も外国人も偽造するので問題が多く明治38年目賀田顧問の定義により貨幣制度を改めた。

この改革で朝鮮の貨幣制度は全く日本と同じようになったので、この後日本の貨幣も自由に朝鮮国内を流通するようになり、また朝鮮政府で公許になった第一銀行券も日本の法律で公認することになり、双方の便利が大いに加わったのみならず、朝鮮のためにまた朝鮮経営のためにどれどれだけの利益になることか知れない。

「朝鮮のためにまた朝鮮経営のために」…。無邪気に思ってたんでしょうね。

また一部にロシア貨幣、支那貨幣、メキシコ貨幣が使われたそうだが何故メキシコ貨幣?

 

次に手形について。最初に書いたようにこの本は「朝鮮に植民せよ」というような目的で書かれてるので商売に関することが割と詳しく書いてあり、手形についても詳細に書かれていますが、今の日本人には関心の薄いことでしょうから割愛。度量衡についても多分同様の理由で詳しいが、これも省略。従来の度量衡は全くめちゃくちゃだが本書が書かれたころ少しずつ整えていかれた模様。

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