最近朝鮮事情所感7

最近朝鮮事情所感1 - 王蟲の子供
最近朝鮮事情所感2 - 王蟲の子供
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最近朝鮮事情所感6 - 王蟲の子供
 

今回は朝鮮人の服装についてのことからです。有名な白服、乳出しチョゴリ、長ギセル、韓ドラでもお馴染みの帽子みたいなやつ(3つに分かれていて帽子ではないと書いてある)など細かく書かれてますが、著者は割と感心して書いてます。

朝鮮の家など一般に不潔で見られないにも拘わらず、朝鮮人の衣服は立派で、かつその服装の発達していることは不思議である。朝鮮の婦人は日本人よりも裁縫が上手で、ミシンで縫ったように針の目が細かい。

 

これらの着物は春夏秋冬一般に無地で、日本のように縞物は一切用いない。大抵皆白色で、中には水色や黄、淡紅、赤紫などの色物もあり、子供の間は淡紅や青竹色などの色物を着ているが少し大きくなると皆白色である。もっとも上衣、周衣、裳などは時折水色のもある。長衣はことに水色が多い。また背衣は一層色物を好むらしい。

そう言えば宮脇淳子さんによると、色物は着ても柄物は日本人みたいだと言って好まなかったとか。

 この様に朝鮮人は裏面はともかくとして、表面上衣冠を正しく身につけることに余程意を用いて努めている。この点は日本人の及ぶ所ではない。衣冠を正して初めて敬せられる、ということに彼らは気にかけていると見え、住居や家中のことなど実に見られたものでないに拘わらず、衣冠を飾り、外観を繕うことには中々発達していて、その労力・費用もまた少ないことではない。 

その労力は特にやはり洗濯して白くすることに費やされてたようです。 不潔な腐れ水でも洗濯するそうだけどそれでも白くなるもんなんですね。

 

次に食事について。引用すると長くなるので気になった部分をまとめて書くと、衣服についでなかなか進歩してるが「支那の風下に立ったり、日本の勢力におされたり、いわゆる二股主義で」アワレで実におかしい。唐辛子などの加薬を何にでも大量にかける。何を煮るにもニラやニンニクを吐き気をもよおす程煮込む。牛豚羊犬を食べる。牛は腸でも爪でも何でもニラやニンニクを入れて煮込んで食べる。(そういえばイザベラ・バードも鳥獣は腸も爪も何一つ捨てずに食べると書いてた。)一日二食だが一食分が日本人の二食分位ある。一家団欒で食卓をともにすることはあまりない。食事してると下等人など前が黒くなるほど来る。釜を万用するので不潔物がついてたりする。まあなんとなくイメージ通りでしょうか。

 そして朝鮮の妓女について。

朝鮮の妓女とて別に事々しく述べるほどの必要はないようなもので、妓女といえば日本の芸者と思えば大して違いはないのである。しかしその妓女にも宮仕いをして中には宮廷に勢力を得、政治上に関係する者もいるから、ちょっとここに出してみたのである。 

 概略を書くと、一牌、二牌、三牌の三階級に分かれていて、一牌が官妓でいわゆる妓生(キーセン)。これが「国王の寵愛を受けて政治上の権力を振るうに至るものがある」層です。当時でもまだ宦官もいたぐらいですので、そのような歴史ドラマに出て来そうなことはありそうな話ですね。芸事に関しては著者には全くつまらないものだったようです。

 

続いて朝鮮の迷信について。「文明の開けない人民」が迷信深いのは一般のことで朝鮮もそうだが、下のものだけでなく宮中でもまだそんな感じだとのこと。明治35年コレラが流行しそうになると、宮内府顧問のアメリカ人が臨時衛生院を設けて予防しようとしたが巫女を集めて祈祷ばかりしてた。妓生と同じように宮中で勢力を振るうものも少なくないと。

 

さてそんな巫女の酷い有様の一例。

この巫女の残忍で実に聞くだけで気が痛くなるほどの事は、朝鮮の取りわけ田舎などで、生まれてから5、6ヶ月位の稚児を一人家に置いて皆のものが仕事にでも出ていると、時々この巫女にさらっていかれることがある。

 

巫女はこの何も知らぬ稚児をカメの中に入れて2、3日捨てておく。稚児は飢えに耐えられぬから、あたかも火がついたかのように頻りに泣く。泣いて泣いて声も出ない程になる。

 

飢えて泣いていよいよ声も出せないほど弱ったとき、巫女である鬼婆は糸でくくった飴を稚児の前にぶらさげる。これを見たる稚児は心身共に疲れながら、どうかしてその飴を取ろうとしてかよわい手を差し伸べて、取ろうとしては倒れ、倒れては起き、尚も悶え苦しみながら小さい指を差し伸べて一心こめてこれを取ろうとする。その指を鬼婆は剃刀を以ってキシャッと切り取るのである。 アァ無残、いかに残忍の極み。その指を切り取った鬼婆はニッコリとして、あたかも大金でも得たかのごとくこれを箱にしまい置く。これは一心全てが指先に宿っているので、これを呪咀に用いるととても効果があるというのであるそうじゃ。アァなんと無情残酷なことではないか。

以前フィリピン人に、フィリピンはアメリカに植民地統治されていたのにアメリカを恨んではいないのかと聞いたところ、「アメリカはフィリピンの意味のない迷信をなくして衛生状況をよくしてくれたし」と言ってました。私は一部の保守のように「日本は朝鮮に色々してあげたのに恨まれる筋合いはない。」とまで主張するつもりはありませんが、なぜこのような違いが出てしまったのかはよく研究して今後に活かすべきでしょう。上記のような保守の多くは欧米と日本の植民地統治は違うと言いますが、そして私もそう思ってますが、その割には欧米の植民地統治についての研究はそれほどしていない気がします。これは一つの課題かもね。

ほかにもこのような例を挙げればマダマダ沢山ある。しかし日本にもまだ迷信家は沢山いる。あんまり朝鮮を笑うように、西洋人らから我々が笑われないようにせねばならぬ。

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