最近朝鮮事情所感5

最近朝鮮事情所感1 - 王蟲の子供
最近朝鮮事情所感2 - 王蟲の子供
最近朝鮮事情所感3 - 王蟲の子供
最近朝鮮事情所感4 - 王蟲の子供
 

当時の朝鮮の教育事情。ここは一般に思われてるのと少し違うかもしれません。

従来朝鮮の教育は、ちょうど維新前の日本の教育のような有様で、各地方に郷校、郷学というのがあって青年を教え、また京城には成均館というのがあって儒生を教え、小学校に相当する書房というのは全国4万もあって、これは読み、書き、文を教えている。

こう見ると相当な数ありますね。識字率については色々な説があるようでよく分かりません。いずれにしても小学の制度を確立する必要があると認め日清戦争後、日本に倣って小学校令を頒布したそうですが、10年過ぎてようやく全国に50の小学校が出来たぐらいだとのこと。

 

その後学校の制度についての部分は省略。日本に関係ある部分だけ引用。

 朝鮮の教育で割合に効のあるのは日語学校で国中に30校ばかりある。京城学堂、開城学堂など多くは何々学堂と名付けている。これらは入校を望むものが絶えず、時運と共に益々増えて来ている。このほか西洋人が設けた教会に付属している小学や中学もある。 

 日本人のいる各居留地は流石に教育が盛んで…(中略)

 朝鮮は新式の教育が中々開けないのでそれだけ骨の折甲斐がある。各居留地とも内地に師範学校卒業生を採用する方針をとっているし、日本の教育家が身を捧げて朝鮮の教育につとめ、朝鮮を開発して日本の経営の資にするのは、男子だけでなく女子でも、日本として愉快な事業である。

次に朝鮮の文字について。色々詳しく書いてあるが、ここで紹介してもしょうがないのでハングルを制定した世宗王についての感想の部分だけ引用。

この世宗王は博学大才の人物で文学の奨励には特別の力を注がれたエライ王様である。

次に朝鮮の宗教について。

朝鮮は多神教の国で、歴史以前から天地日月、星辰、山川、鬼神などを祭ったり、または猛虎を拝するなどが行われていて、未来よりも現世の幸福、吉凶、疾病などを祈ったり占ったりするのを主としている様子である。 儒教が盛になり、また仏教が入ってきてから、その信者も増えて来たけれども、しかし現世的の多神教が一般的に広まっていて、これを司っているのは巫女と占者である。

この後詳しくここもなかなか面白い記述が続くが割愛。日本と関係ある部分だけ。

日本の東本願寺は力を朝鮮にも用い、今では京城、仁川、釜山、元山に別院を設け僧侶を各2人づつ置いている。木浦、鎮南浦には出張所を設けている。また日蓮宗京城、釜山、仁川、元山に教会堂を置き、僧を各1人づつに任せている。これらの教会堂は加藤文教師という人が単独で作ったので、本山の補助があるわけでもないのである。感心な人だ。このほか、浄土宗知恩院派も近頃京城、仁川、釜山に出張所を設けて僧各2人を置いている。しかしこれらは皆在留日本人を目的としている。朝鮮人の感化を目的として設けているのは全羅道光州の実業学校だけである。この校を建てるには奥村五百子が尽力し、その付属の説教所には兄の奥村円心師が住んでやっている。

今回は最初の学校についてが興味深かったとこでしょうか。しかし4万も少学校みたいのがあって人口が1000万とすると、もしちゃんと機能してたなら結構な教育水準になりそうだけど、そういう風にも見えないのはどういうことなのか、という気はしますね。

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