イスラム国による人質事件はジャーナリズムの試金石

遅くなりましたがイスラム国の日本人人質事件に関して。


「イスラーム国」による日本人人質殺害予告について:メディアの皆様へ - 中東・イスラーム学の風姿花伝

これは珍しく所謂専門家の良い記事ですね。珍しい。申し訳ないけど東大の准教授というだけで色眼鏡で見てしまうようになりましたから、何を言ってるか読んで腹立つだけかと思ったらとても冷静な記事で安心しました。

 

今回の人質事件がどういう決着を見るにせよ、安倍政権に反対する人は絶対に安倍政権のせいにします。すでにもうこの事件が起こった事自体を安倍政権のせいにしてる人も多いからね。こういうの。


安倍首相の「積極的平和主義」が引き起こした日本人人質への殺人予告

安倍憎しの人はもうなんでもかんでも安倍に結びつけます。ほんとに「は?」っていうことを全て安倍に結びつける。異常だよ。前回も引用したこんなやつ。


「女の平和」国会ヒューマンチェーン・shinyaの写真

保守の人でも安倍政権の政策に100%賛同する人というのはまずいないでしょう。それは当たり前で、安倍さん自身そうだと思うよ(笑)。総理大臣だからってなんでもやりたいように出来るというわけではない。もし総理大臣が独裁的権力を持っているなら鳩山の時に東アジア共同体に吸収されたでしょ。

 

僕は国内のマスコミのせいだと思ってるけど日本人は自分の生活と世界情勢が関係ないと思いすぎ。かたや同じ人間がグローバルというのを素晴らしいものだと考えていたりするんだからおかしな話。グローバル化というのは世界の混沌により巻き込まれるというのは必然。なるべく感情的にならないように書こうと思ってるけどここは強く言いたいところだね。

 

最初にリンクした記事は非常に秀逸だと思うので読んでほしいな。

「特定の勢力の気分を害する政策をやればテロが起こるからやめろ」という議論が成り立つなら、民主政治も主権国家も成り立たない。ただ剥き出しの暴力を行使するものの意が通る社会になる。今回の件で、「イスラーム国を刺激した」ことを非難する論調を提示する者が出てきた場合、そのような暴力が勝つ社会にしたいのですかと問いたい。

今回の件にどのような姿勢で発言するかというのはその人のジャーナリズム精神の質を見る良い試金石だと思う。