慰安婦問題についての海外の認識の一例

イムリーではないのですが、先月末に有名な慰安婦活動家の金福童(キムボクトン)さんがなくなり、告別式が日本大使館前で行われるということがありましたね。

 

慰安婦問題の詳細については腐るほどネットにも情報がありますし、日本国内的にはほぼ議論の余地はないと思います。問題は国外的な問題ですね。例えばこの葬儀のニュースですが。

 

tw.news.yahoo.com

 

このようにニュースになっています。そして慰安婦問題について日本側の主張がニュースとして採り上げられることはありません。だいたい海外の人に聞くと韓国の態度を不可解と思ってる人でも、日本はもう謝罪して金も払ってるのになんでまだ文句言ってるの?というのがせいぜいです。彼らに多少説明しても彼ら自身がネットで調べても日本側の主張を見つけることは難しい。

 

日本政府は何をやってるんだという話です。公的な機関として簡単に見つけられるものとしては例えばこんなのがあります。

www.mofa.go.jp

 

内容も不十分だと思いますが、それは置くとしてもそもそも果たしてこんなサイト誰が見るんですかって話で、日本で言えばヤフーニュースに当たるようなもので日本側の主張が出て来るようにならなければ慰安婦に対する誤解は解けません。具体的に言えば政府の人が一部からの批判を恐れず発言するしかないんじゃないでしょうか。かつて橋下徹慰安婦のことで発言したのは一応ニュースにもなりましたから、別に日本国政府でなくてもいいのかもしれませんが。

 

上で台湾のニュースを張りましたが、親日的とされる台湾ですら日本側の主張など知ってる人はほぼいないのです。どれだけ国際的発信力が弱いんだよって話です。

 

蛇足ですがリンクでは台湾のヤフーのニュースを張りましたが、台湾のヤフーニュースは日本のほどはメジャーなものではありません。

最近の韓国

一連の韓国との問題について、ここまで腹が立ったのは2012年以来でしょうか。恐らく日本は韓国との付き合いの中で歴史的に何度もこのような思いをしてきたのでしょう。

 

この期に及んで飽くまで理解し合えるよう努力をするというのは、はっきり言えば責任を取りたくない逃げでしょう。

 

そしてそのような日本人は、そう考えない日本人に対して迷惑が掛かっているということを理解していない。自分の正義感のために多くの日本人を犠牲にしてるということです。

 

これらの人たちは本人の意図に関わらず、日韓関係を悪化させるのに一役買っているとも言えます。また自分の考えが「正義であり」他の考えは自分の考えより劣ったものと考える傲慢さも見えますね。

 

本当に日韓関係を対等のものとして考えたいならば、摩擦を起こさない程度に距離を置くべき。それに気づかない人は、無意識で韓国を下に見てると思います。彼らの性向を理解してないんですから、本気で理解したいと思ってない。自分の価値観が韓国との問題を通して正しいことを証明したいんじゃないでしょうか。

 

若干文章にまとまりがなくなったかもしれませんが、言いたいことは、今回ばかりは絶対に日本はもっと強硬に主張すべきです。これまでの弱気な日本政府にも隠忍自重してきましたが、これで期待に応えてくれないとしたら、やはり日本政府は腐ってると言いたい。

 

このブログでは日韓関係に関して控えめな書き方をしてましたし、今の与党は基本的に支持してきましたが、なんでもっと強硬に出来ないのか分かりません。政府はバランス感覚が必要ですが、決断すべきときに決断できない政府は無能と罵られても仕方がない。

 

日本の官民挙げて韓国に対して遺憾の意ではなく具体的かつ効果的な制裁を加えるべきです。今それをしなければそれ以上の泥沼がまってるでしょう。歴史から学ぶべき。

韓国海軍艦艇による火器管制レーダー照射事案についての海外の認識2

youtu.be

レーダー照射問題に関し韓国の公開した動画について、日本のネット上では馬鹿にする意見が多数のようです。確かに動画の内容自体は酷いものだと私も思います。しかしネット上の意見でしばしば見られるもので苦々しく感じることがあります。それは「これを公開することによって韓国は国際的に恥を晒してる」というものです。さてどうでしょうか。あの動画を見ただけで日本が悪いと思うほどバカでなくても、イコール韓国が嘘をついているとまではほとんど思わないと思います。あの動画がバカバカしいと思うのはある程度前提知識があるからでしょう。つまり動画の不出来さよりも、動画で反論したという事実が大事なのだと思います。

 

だから面倒くさいけれどもこの動画の主張に対しての反論を日本側もしなくてはいけません。別に日本側は「恥知らずな」主張をする必要はなく事実を言えばいいだけですが、ちゃんと主張することが大事でしょう。

 

少なくとも一般的に海外でこの事件はそもそもそれほど知られていないし(ニュース自体少ない)、ましてや日韓のどちらが事実を言ってるのかを確信してる人などほとんどいないということだけは言えます。私の知り合いでもよっぽどこの手の話に関心のある人以外は知りませんでした。つまり普通いないんです。この辺の事情に関しては下記のブログの通りだと思われます。

【海外ニュース情報局:調査分析】「日本ー韓国軍レーダー照射事件」海外記事がどのように報じているか。 | 海外ニュース翻訳情報局海外ニュース翻訳情報局

 

前回と言いたいことは同じなのですが、日本ネット上の見方が甘すぎてちょっと腹立たしかったので再び書かせていただきました。

soloflight.hatenablog.com

韓国海軍艦艇による火器管制レーダー照射事案についての海外の認識

防衛省・自衛隊:韓国海軍艦艇による火器管制レーダー照射事案について

 

韓国海軍艦艇によるレーダー照射の件、腹立たしいことこの上ありません。やっと映像公開はしましたが、もちろんこれで一件落着になる問題ではなく、早速韓国は白々しいことを言ってるように、しばらく問題は続くでしょう。

 

岩屋防衛相 韓国軍のレーダー照射問題 “午後に映像公開” | NHKニュース

岩屋防衛相が「自衛隊が国際的な取り決めにのっとって、適切に活動していたことを国民に理解いただきたい」と語りましたが、もし今回の騒動で自衛隊に非があったなら、自衛隊防衛省、日本政府は国民からの信頼を決定的に失うことは明白でありますから、事実関係について日本の主張を疑っている日本国民は少ないと思います。

 

韓国の言い訳を埋めるという意味ではもちろん足りませんが、まあ韓国が非を認めるにはどこまでやるべきなのかは分かりません。

 

次に国際社会へのアピールということがありますが、これももちろん日本語の字幕をつけただけでは十分とは言えません。どういう情報を得てるのか分かりませんが、私のトルコ人の友人は日本が嘘をついてると思うと言っていました。もちろんそもそも他国のこのような問題に興味を持つ人は少数派でしょうし全体としてどのような認識が多いのかは分かりませんが、わずかでもこの件に関しそのように思われるというのは腹が立って仕方ありません。

 

www.youtube.com

今回の動画、早速英語版も作ってたとは意外でしたが、今回の動画はやや長いので短く編集したものを拡散したりしてもいいかも。韓国人はこれを見ても当然日本が悪いという人が多い模様。

www.youtube.com

 

外交などに関し海外発信が弱いということは多くの人が思ってることと思いますが、今回の件で日本に非があると外国で思われるとなるとちょっと酷すぎます。もちろんそれぞれの国のメディアにも大きな問題があるでしょうが、そんなことは言っても仕方ないので、内閣でも防衛省でも外務省でもいいですが、というか一体となって海外発信を重視する契機にしてほしいと思います。

ファシズムとコミュニズム~河合栄治郎による二・二六事件批判~

河合栄治郎 二・二六事件に就て

二・二六事件に対する批判は多いけれどもその一つ。河合栄治郎自由主義者でありファシズムに反対し、思想弾圧を受けた人であります(河合栄治郎事件 - Wikipedia)。短い文章なのでご興味があればぜひ。

 

○○主義というのはだいたい定義がよく分からないものも多いけどもファシズムは特に曖昧な気もします。全体主義ファシズムの違いも人によって色々あるようですが「全体主義と闘った男 河合栄治郎」という本もあるぐらいですから、まあだいたい同じように考えればいいんでしょうか。河合栄治郎自身の著書に「フアッシズム批判」ってのがあるぐらいですからそれを読みたいところですが、なんだか超高いし。。。

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いずれにしても当時の自由主義者は今の左翼のようなのとは違うようです。というか当たり前なんですが、今のリベラルと言われる人たちがおかしいのであって。例えば。

ファッシストの何よりも非なるは、一部少数のものが〈暴〉力を行使して、国民多数の意志を蹂躙するに在る。国家に対する忠愛の熱情と国政に対する識見とに於て、生死を賭して所信を敢行する勇気とに於て、彼等のみが決して独占的の所有者ではない。

国家に対する忠愛の熱情と国政に対する識見とに於て、生死を賭して所信を敢行する勇気とに於て」と言える「リベラル」が今どれだけいるんでしょうか。今の「リベラル」とは違い彼はコミュニズム批判も大いに行った人です。この二・二六事件を批判する文章にもこうあります。

或は人あっていうかも知れない、手段に於て非であろうとも、その目的の革新的なる事に於て必ずしも咎めるをえないと。然し彼等の目的が何であるかは、未だ曾て吾々に明示されてはいない。何等か革新的であるかの印象を与えつつ、而もその内容が不明なることが、ファッシズムが一部の人を牽引する秘訣なのである。それ自身異なる目的を抱くものが、夫々の希望をファッシズムに投影して、自己満足に陶酔しているのである。只管に現状打破を望む性急焦躁のものが、往くべき方向の何たるかを弁ずるをえずして、曩にコンムュニズムに狂奔し今はファッシズムに傾倒す。冷静な理智の判断を忘れたる現代に特異の病弊である。

これは良いことをいうし、当時の状況もわかっていいですね。私は今の「リベラル」の人たちも戦中なら容易にファシズムに加担したんじゃないかと疑ってます。当時の状況もわかってと書きましたが、それは例えば次の部分からも読み取れます。

左翼戦線が十数年来無意味の分裂抗争に、時間と精力とを浪費したる後、漸く暴力革命主義を精算して統一戦線を形成したる時、右翼の側に依然として暴力主義の迷夢が低迷しつつある。

ここで書かれてるように左翼が「暴力革命主義」を精算したのかはともかく、二・二六事件当時において世間的にはコミュニズムは衰退しファシズム的空気が蔓延してたってことでしょうか。

 

蛇足ですが東條英機東京裁判に於いて証言した全体主義についての言及を書いときます。昭和十五年七月二十六日付の閣議決定された「基本国策要綱」の中のある「諸政を一新し」という言葉に対する質疑応答。

キーナン検察官 

その言葉で、あなたは完全な統制の枠に入った全体主義政府の樹立ということを意味していたのですか。

 

東条証人 

全体主義」ということが何を意味するか、私にはよくわかりませんが、要するに国家が最大の力を発揮するような行政をやって行きたい。こういうことです、結論すれば。

こういうのが石原莞爾が批判する「東條には思想がない」ってことの表れのひとつなんでしょうか。「国家が最大の力を発揮するような行政」という意味では石原莞爾もあまり変わらないような気がするのだが。これは石原莞爾のことを書いたときにも書いたけども、石原莞爾の「統制主義」など、当時の右翼思想は非常に共産主義と似ていますし、私は当時の右翼に共感出来ないところは多々ありますが、ファシズムにしてもコミュニズムにしても隆盛していた当時はそれなりの時代背景があったのでしょう。

台湾統一地方選での与党民進党の大敗の原因

中国、台湾への圧力強化 地方選での与党民進党大敗で(ロイター) - Yahoo!ニュース

台湾で民進党が大敗したのは日本にとっては大変残念な結果でした。選挙前から厳しい予想がされていたので驚きということはありませんでしたが。

 

日本もそうですが、台湾も無党派層が多いのでその時の世論で大きく動く。民進党が信を失った理由は色々あるんですが、政治に関心の強い人以外は人によって違うので様々な理由があるんでしょうが、台湾に住んでいないと感じられない空気ってのはあるんでしょうね。

 

まあいずれにしても理由を列挙すると、まず経済が不調であること。これに関しては例えば蔡英文さんが総統になってから中国の圧力があるということはよく言われ、まあその通りでしょうが、実際に蔡英文政権の失政がなかったかと言えばそういうわけではない。例えば労働政策の失敗、労働者も雇用主も非常に不満。次に年金改革の問題、改革の矢先に当たる軍人・公務員・教師たちからものすごく大きな反発があった。次には同性婚容認にめぐる諸問題、大量な資金を持つプロテスタント系保守勢力が猛反発。などあったようです。

台湾の働き方改革!?一例一休とは?完全週休二日制とその影響

 

国民投票7件成立 頼行政院長「尊重」立法院と協議へ/台湾(中央社フォーカス台湾) - Yahoo!ニュース

あまりニュースにはなってないかもしれませんが、同時に10件の国民投票がありました。日本関連では「福島など日本5県産食品の禁輸措置の継続」という残念な結果がありました。他に「2025年までに原発を停止する法律条文の廃止」「民法の婚姻は男女に限定」などは興味深いところです。両方蔡英文政権の公約ですからね。大きな停電があったために脱原発に味噌がついたようですね。ちなみにここで出てくる頼清徳行政院長は将来の総統候補の一人で、なってくれたら日本には有り難い人です。アメリカで言えばマルコ・ルビオみたいな。あくまで日本にとって嬉しいという共通点だけですが。

 

沖縄知事選に続き大変残念な結果でした。国際的には中国の勝利と言ってもいいと思うんですが、それを理解してる台湾人が少なそうなのがどうにも。はぁぁ。

 

追記:台湾人の友人から聞いた話で有用な話を聞けたら追記します。

メディアの傾向の判断

インターネットの時代と言われて久しいものの、未だにマスコミの影響というのは巨大であります。しかし一方大勢としてマスコミ不利の流れは加速していくでしょう。

 

いずれにしても出来るだけ正確な情報を得たいと考える人は今どうするべきでしょう。かつては例えばまるで正反対の朝日と産経を両方読めなんてことも言われました。それはそれで悪くないですね。

 

そしてこのやり方は週刊誌レベルでもインターネットメディアでも当然応用すべきですね。例えばBuzzFeedJapanとnetgeekでは朝日と産経、日刊ゲンダイ夕刊フジの関係を当て嵌めてもいいでしょう。

 

新しいネットメディアはその傾向が知られてないケースも多いわけですが、まあ意外と見分けは簡単ですよ。週刊新潮とか週刊文春とかの大衆紙は売れるかどうかが至上命題なのでイデオロギーに支配されず、この雑誌はどういう立ち位置なんじゃ?と思う時もありますが。例えば文春の社長、松井清人有田芳生の友人ということでリベラル的かと思いきや、朝日などでは絶対伝えない報道もありますね。そういう意味では功罪ありつつも週刊誌として健全と言えるのかもしれません。週刊誌は新聞などと比べると論調が変わりやすいですが。

 

基本的には執筆陣を見れば大体判断がつくのですが、時に割と両陣営の論客出すメディアもあります。それが公平ならいいんですが、敵陣営を誤魔化すために敵陣営の人を出してる場合もあります。例えば「月刊日本」などは確かに保守系と言われる人を出すことが多いのですが、まあこれもやはり最少2冊も読めば十分似非保守の可能性が高いことは想像出来ましょう。そう言えば偽装リベラルってあるのかな。これは俺の不勉強かも。

 

私なりの判断の仕方ですが、まず系列会社、主筆の経歴、執筆陣の左右の比率等で判断。割と決めつけでいいです。その後その決めつけを確認作業してけばいい。

 

まあこのぐらいは誰でも出来る見分け方でしょうかね。さらにどうやってこれらから得た情報を活かすかとなると更に難しくなりますね。