対話とは ~シリア人と会話6~

昨今の外交について対話対話という人たちにはうんざりしてる人も多いと思います。経験上そういう人の多くも大概自分と違う考えの人と対話をしなかったりするし。

 

さてここで最近頻出してもらってるアフマド君との対話の一部を見てもらいましょう。

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前半のイスラムについての説明が写真の添付になってる理由はよく分かりませんが、その方が便利が良いそうで。まあそっちはほんとにムスリムなんだろうという信憑性が高まるかなと思って序に残しただけです。

 

後半は私が北朝鮮による拉致事件について説明したことへの返し。

弱者は強者の条件を受けるときに今の腐った世界では対話と呼ばれている 

 なかなか重い言葉ですね。

 

対話でも圧力でもいいんですが、現実的であることを忘れないようにしたいものです。

 

 

シリア人との会話 - 王蟲の子供

シリア人との会話2 - 王蟲の子供

エルドアン大統領 ~シリア人との会話3~ - 王蟲の子供

日本の難民受け入れについての一シリア人の意見 ~シリア人との会話4~ - 王蟲の子供

日本の中東に関する報道 ~シリア人との会話5~ - 王蟲の子供

中国の軍訓に萌える

中国では9月が入学シーズンです。そしてまずやるのが軍訓と言われるものです。まあ検索してもらえば書かれてる通り、軍訓とは言っても心身をを鍛えるためという意味が大きいらしく本格的な軍事訓練をやるというわけではないようです。とは言えかなり長時間やるし結構きついみたいで。

 

女子もやります。というわけで本年大学に入学したの小玉ちゃんの制服姿。全然可愛くないと不満げでしたが超可愛い…。

 

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二枚目のショットは訓練終えて着替え終わった後に、軍服姿を送ってくれというおじさんのリクエストに応えてくれたものなので上だけ。ギャップ萌えって感じですね。

 

ところでこのオタク言葉から来た「萌え」って言葉は中国でも使われてまして、「萌(meng2)」と言い、多分ほぼ同じ意味で使われてる気がしますがむしろ日本よりも気軽に使ってる感じ(不確か)。というかあまりオタク的な印象がない感じかな。日本から伝わった言葉ですが小玉ちゃんはそれを知らなかったぐらい一般的な言葉になってるようです。いい年したおっさんが18歳の中国女子に「你真萌(あなたってば超かわいいっ)♡」って言われて鼻の下を伸ばしながら中国語を勉強してる姿を想像して気持ち悪がってください。

 

一応小玉ちゃんのやってる訓練の例としては、行進、腕立て、スクワット、蛙跳び(って何?)、銃の撃ち方、軍歌を歌う等だそうです。まだ期間の半分ぐらいなので新たな訓練もあるかもね。銃の撃ち方は昨日初めてやるまであると思ってなかったそうなので。そして毎日日記を書かなくてはいけないらしい。毎日似たような訓練なのに何を書けばいいのかと参ってます。この軍訓についてネットで検索しても色々違う内容が書かれてると思いますが、学校によって内容がそれぞれ違うからのようですね。

 

ちなみに台湾にも軍訓はありますが、高校と大学一年は必修科目ということで中国のように短期に集中的にやるのとは違うようです。今は国防通識というそうで。

日本の中東に関する報道 ~シリア人との会話5~

シリア人との会話 - 王蟲の子供

シリア人との会話2 - 王蟲の子供

エルドアン大統領 ~シリア人との会話3~ - 王蟲の子供

日本の難民受け入れについての一シリア人の意見 ~シリア人との会話4~ - 王蟲の子供

 

最近はアフマド君というスンニ派シリア人の話を聞いて自分でも調べたりしてるわけですが、残念ながら他のアラブ人やイラン人から話は聞いてないので(ムスリム自体はインドネシア人からは沢山聞いてる)かなり偏りがあるかもしれないことを忘れないとした上で、まあやはり中東情勢においてイランはかなり大きなキーになってるようですね。アラブ人国家でないにも関わらず、アラブ国家に大きな影響力を持っている。具体的にはシリア、レバノンイラク、イエメンです。詳細はまたの機会に譲りますが、イランはシーア派の世界の盟主としての地位を確かなものにしつつあるようです。イスラエルへの反感などを上手く利用してる。

 

そしてここが我々日本人からすると重要であり分かりやすいところでありますが、イランやシリアのアサドは北朝鮮と深い関係を持っているということですね。まあ未だに日本にも北朝鮮を擁護する人がいるぐらいですし、盗人にも三分の理ということで、それぞれにそれぞれの言い分があるということは分かりますが、でも所詮は「盗人」ですよ。放っておいていいということにはならないと思いますがね。ところでシリアでは金正日はアサドの先生と言われてるそうです。アサドのお父さんの先生は金日成ですね。

 

しかしイライラ戦争のころから現状を見ると、アメリカはなんだかチグハグで何をやってるんだという感が深くなるなあ。今も中東にどうコミットしていくつもりなのかいまいち見えないし。まあこれは非独裁国家の弱点かもね。

 

しかしフランスのマクロンはアサドの排除にこだわらないと表明し、イランとの強調拡大で合意というニュースもありました。シリア国民(の多数)にとってはあまり希望の見えない状況のようです。他の西側諸国もそんな感じみたいだけどアメリカとフランス以外は日本語の記事は見当たらなかった。あるかもしれないけどとりあえず英語のソース。レバノンのメディアですが元記事はイギリスのタイムズ。

Assad is Here to Stay, West Tells Syrian Opposition: The Times – Al-Manar TV Lebanon

 

ところでアフマド君と話すようになって思ったのは中東に関する日本の報道はそれほど偏っていないかもしれないということ。例えば下の記事もアフマド君の言うこととあまり矛盾はしてない。書いてる人の思想は私と全く異なりますが。

結局のところ、「シリア内戦」は今どうなっているのか? (末近 浩太) | 現代ビジネス | 講談社(1/5)

 

アフマド君の送ってくれた風刺画とシリアの現状の地図。Oppositionってのは反アサド組織のことらしいっす。

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北朝鮮のミサイル発射について

腹立たしいのは、騒ぐのが悪いみたいなことを言う人たちで。前回も同程度の騒ぎになった時、海外では大したニュースじゃないとか言ってた人もいましたね。いいえ、前回も今回も海外でもこれは大きなニュースになっております。何人もの海外の私の友達が心配して連絡をくれました。もちろん軽重はあるでしょうが(例えば台湾では日本では全く話題になっていないユニバーシアードで大盛り上がりです)そうやって連絡をくれる人が何人かいる程度にはニュースになってるってことです。

 

まあ北朝鮮を刺激すべきじゃない、ということまでは一応理解できなくはないですが、騒ぐのが大衆煽動だみたいのまで行くとちょっとおかしい。しかし、そういう人が多ければそういうものかなと思ってしまうのが人間でしょう。私のリアルの知り合いもテレビ局がたくさん北朝鮮報道をしてるのはテレビ局の安倍政権への”忖度”だとかいってました。

 

数は力。ということなのでとりあえずちょっとそれはおかしいんじゃないかということを表明。そして海外でもちゃんと大きなニュースになっているということのお知らせ。でした。

 

何についてでも自分で色々確認するのが大事ですが、そんなことしてられない人がほとんどでしょう。一応海外の知り合いが多いということは多少このブログに目を通してもらってたら分かると思うのでそういうことからも一応書いておきました~。

日本の難民受け入れについての一シリア人の意見 ~シリア人との会話4~

シリア人との会話 - 王蟲の子供

シリア人との会話2 - 王蟲の子供

エルドアン大統領 ~シリア人との会話3~ - 王蟲の子供

 

日本ではまだ難民というとニュースの中の出来事ということで真剣に考えている人は少ないでしょう。まあ個人的な意見はとりあえず置いておき、難民になる可能性のあるアフマド君の意見を聞いてみましょう。日本政府が難民を受け入れる上での彼の意見ですね。

1トルコとレバノンとヨルダンにいるシリア難民以外に受けるな。

2アサド政府に頼るな。

3アサドと関係のないシリア人団体と交渉する。本当にシリア人なのかの確認をそことする。

4難民を受け入れても例えば半年に悪いことを3つしたら強制送還する。

 

1については少し分かりづらいですが、つまりそこにいるシリア難民が数も多いし一番困ってるからだそうです。特にレバノンが酷いとのこと。2、3についてはまあアサドを信頼するかどうかということですからまあね。シリアの支援に国連を通すなとも言ってたけど、難しいとこでしょうね。4については細かい規定はともかく受入国と難民の双方に問題はないでしょうが、いわゆるリベラルと言われる人たちが強制送還に反対するだろうから現実的に出来るのかというのが心配なことになるでしょう。

 

まあ受入国としては主に4が問題になるわけですが、書いたようにはっきり言えば”まっとうな”難民とそうでない人たち、例えばシリア人だと偽って難民になろうとする人とかね、そういうのを区別すること自体を差別だとかする人たちがいるので、めんどくさいから受け入れは一括して拒否したいという気持ちになる人も多いでしょう。”まっとうな”難民たちにとってリベラルの人たちこそ障害になっている可能性もあるんだと、最後に個人的な意見を書いておきます。

 

というようなことを言ったらアフマド君は「日本政府は何をやっているんだ!」と怒ってましたけどね。日本政府が情けないことは確かかもしれないが、政府自身正しいと思っても出来ないことも多いんだと言い訳しました。

エルドアン大統領 ~シリア人との会話3~

シリア人との会話 - 王蟲の子供

シリア人との会話2 - 王蟲の子供

 

トルコのエルドアン大統領というと、日本では、最近の国民投票により独裁化が懸念されておりますが、トルコ以外のイスラム世界(の一部)でも人気が高いようです。それは伝統的なイスラム社会を取り戻そうとしている姿勢がそのような評価になっているようです。シリアのアフマド君と複数のインドネシア人から聞いた話です。

 

アフマド君によると上記の理由に加え、シリアのマジョリティの敵でもあるクルド人武装勢力と敵対してることもあるようです。アフマド君によるとクルド人民族主義が強いそうですが、もちろん全員が武装勢力に参加してるわけではない。余談、かどうか分かりませんがクルド人武装勢力というとクルディスタン労働者党(PKK)とクルド人民防衛隊がメインだと思いますが、クルディスタン労働者党は基本的にはマルクス・レーニン主義クルド人民防衛隊(YPG)もよく分かりませんがその女性部隊をフェミニストたちが賞賛するなど、若干社会主義的な香もする勢力です。*1単にクルド人武装勢力というだけでなくこういうこともマスコミはもう少し触れて欲しいものです。まあしかし反政府勢力というのはどうしてもこういうのと親和性が高いんでしょうね。まあアラブ社会主義というのもあったらしいのですが。まあどんな主義もそうですが本来の意味との繋がりがよくわからなくなるものは多いですね。個人主義への反発という意味では社会主義全体主義への親和性は高いかもしれませんが。まあナチス国家社会主義だしね。))

 

いずれにしてもアフマド君の認識によるとトルコの優先順位として、主敵はクルド人武装勢力、次にISIL、次にアサドということだそうなので、シリアにとって最高ではないが一番マシだとのこと。アフマド君によるとアメリカの最優先事項は石油と基地だからクルドと協力するとのこと。まあどの程度妥当かは知りませんがアフマド君の言うままに書きました。

 

インドネシアに関してもまあ基本的に最初に書いた理由ですが、あるインドネシア人によると特に反(インドネシア)政府的な人にエルドアン賛美者が多いとのこと。彼らにとっては今の政府は親中的でイスラム色が弱いと思ってるらしい。インドネシア共産主義嫌いが多いのは多分本当にそう。まあでも全体的に恐らくエルドアンが好きなインドネシア人はイスラム主義、民族主義国家主義などを羨んでるというところみたいですな。

*1:アフマドくんに確認したところによるとPKKは出来た当時世界的に共産主義が流行ってたからで、その後出来たYPGはその後、アメリカ的な価値観が流行っていたのでそういう考えを標榜してるがどちらも原理原則を持っているわけではないと。あくまでアフマド君の意見です。

シリア人との会話2

シリア人との会話 - 王蟲の子供

 

続きです。そのシリア人の名前は一応仮名でアフマド君としておきましょう。アレッポの出身だそうです。アレッポと言えば石鹸ですがまあ今は非常に激しい戦闘が行われた地域となってるそうで。というわけでアフマド君は今イドリブというところにいるそうです。本当はシリアから出たいそうです。お兄さん二人は数か月前にトルコに出てアフマド君たちを待ってると。うーん、テレビのドキュメントでよくやってそうな感じですね。アレッポに戻りたいけどアサドたちが入る限り戻らないと。

 

アレッポは政府軍の勝利で戦闘は終わったことになっておりますが、その後政府軍による略奪なんかが酷かったとか。反政府勢力のいたところなら一般市民も反政府勢力と同じだという理屈のようです。

 

アフマド君はスンニ派のアラブ人ということでまあシリア人の多数派ということになると思います。アサドが嫌いと言っても政府軍と戦っているクルド人勢力はもちろんや他の反政府勢力を応援してるというわけはないようです。外国からの支援を受けている勢力がいっぱいあるので、彼らにも出て行ってほしいと。まあ外野としてはそれは無理じゃん?とか思っちゃうわけですが、まあ一シリア人の声としてそのままお伝えしております。

 

だいぶ前に中東の色々な勢力について調べたことがありますが、興味深いと言えば興味深いんですが、あまりにも複雑すぎますね。今シリア国内だけでもよく分かりません。いずれにしても反政府勢力が一枚岩でもなく、アフマド君の例からも分かるように一般市民の支持を得ているわけでもないので難しいですね。しかもアメリカがロシアやアサド側に譲歩してるという話もあるので今のところアサド・ロシア・イラン・中国側が優位ということでしょうかね。なんとなーくベトナム戦争と被るとこもありますねー。まあアフマド君にとってはかなりよろしくない状況ですね。

 

アフマド君の英語もあまり上手ではなく話題も難しいので上手く聞き出せないこともあるんですが、こうして書いててもまとまりがなさ過ぎるのでちょっとずつ分けてまた書いていこうかと思います。